厚生労働省が28日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.08ポイント低下の1.49倍となった。都道府県別(就業地別)では前月と同様に福井県の2.03倍が最高で、最低は青森県の1.23倍だった。有効求人倍率は18~19年初にかけて1.6倍台の高さを続けていたが、19年後半から少しずつ低下し始めて1.5倍台となっていた。1.4倍台は17年前半の水準。
新規求人倍率も2.04倍で前月比0.40ポイント低下。新規求人数(原数値)は前年同月比16.0%減で、業種別では製造業の同26.1%減、その他サービス業の同23.6%減、卸・小売業の同22.5%減などが目立った。中国の景気減速を反映したと同時に、厚労省によると1月から求人票の記載項目が拡充され、一部企業が求人提出を見送ったことも倍率低下の要因になった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月比0.06ポイント低下の1.07倍となった。
1月の完全失業率は2.4%、前月比0.2ポイント悪化
総務省が28日発表した1月の就業者数は6687万人で、前年同月比59万人増、85カ月連続の増加となった。完全失業者は159万人で同7万人の減少、3カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント上昇の2.4%となった。昨年10月と同じ水準。男女別では男性が2.4%、女性が2.2%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5665万人のうち、正社員は3516万人で前年同月より42万人増。非正規社員は2149万人で同5万人減となり、非正規比率は37.9%となった。非正規のうち派遣社員は142万人で同2万人増加した。
有効求人倍率、完全失業率ともに、日本で2月から本格化した新型コロナウイルスの感染拡大が雇用面に及ぼす影響はまだ表面化していないが、生産、流通ともに大規模な停滞が懸念され、2月以降は影響も出てくる可能性があることから、両省とも事態を注視している。