総務省が21日発表した転職者状況によると、2019年は前年より22万人多い351万人の過去最多を記録した。転職者数の推移は、06、07年の346万人をピークに、08年のリーマン・ショックで10年にかけ大きく減少した。しかし、景気拡大と人手不足によって、11年から緩やかな増加が続き、昨年は比較可能な02年以降の最高を記録した。男女別では男性が165万人、女性が186万人。
年代別の転職者比率では、「15~24歳」の12.3%、「25~34歳」の7.8%がダントツに高く、近年の横ばい傾向から19年は大きく伸びた。
転職者の離職理由については、「会社都合」の43万人に対して、「より良い条件の仕事を探すため」が127万人の過去最高となり、人手不足を背景にした売り手市場ぶりがうかがわれる。
雇用形態別では、「同一雇用形態間」が最多の226万人で、前年より11万人増加。「非正規から正規」は42万人で、同4万人増。逆に、「正規から非正規」は51万人で、同2万人増えた。ただ、15~54歳の"中核人口"に限ると、前者は39万人、後者は30万人で、前者が12年以降、8年連続で後者を上回っている。
調査は労働力調査から集計し、転職者は「前職のある就業者で、過去1年の離職経験者」、転職者比率は「就業者に占める転職者の割合」と定義。統計局の「経済トピックスNO.123号」に掲載している。