厚生労働省が21日発表した国の行政機関の障害者雇用・定着状況調査によると、18年10月~19年12月末に採用された障害者は5197.0人、離職者は431.5人となり、この結果、実雇用率は2.85%と全行政機関で法定雇用率を達成した(短時間労働者は0.5人にカウント)。実雇用者数は4748人、離職者数は424人で、定着率は91.1%となった。
採用障害者に対するアンケート調査によると、職場の全体評価は「満足」「やや満足」が89.3%を占め、「不満、やや不満」の3.6%を大きく上回った。しかし、物理的な作業環境になると、「不満、やや不満」が9.3%に増え、具体的には「休憩スペース」「導線の確保」などを挙げる人が多かった。
行政機関による障害者雇用の水増しは18年8月に発覚。17年6月時点の国の機関全体での雇用率を法定雇用率の2.5%と公表していたが、実際には28機関で計約3700人分を水増し計上しており、実態は基準を大きく下回る1.17%。このため、政府は19年中に約4000人の障害者を採用する基本方針を打ち出し、障害者雇用に努めてきた。