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2020年2月19日

技能協、連合と「派遣・有期雇用労働者の適正な処遇の確保」に向け共同宣言

 製造請負・派遣の業界団体・日本生産技能労務協会(青木秀登会長)と連合(神津里季生会長)は19日、派遣労働者や有期雇用労働者の「適正な処遇の確保」に向けた共同宣言を取りまとめた=写真・上。労働条件の向上を図る法整備が進む中、相互の対話を継続して深め、安心して働くことができる社会の構築を目指す。労働者派遣法の改正をめぐる技能協と連合の共同宣言は、2010年と16年に続いて3回目となる。

n200219_1.jpg 共同宣言には、法令遵守の徹底と健全な労使関係を促進させ、「労働力の需給調整という重要な社会的機能を担う製造系人材サービス業界の適正な運営などにより、派遣労働者・有期雇用労働者が安心して働くことができる環境を不断に整備していくことが重要」と明記。それぞれの組織または一緒に企業や組合員への教育を図るなど、法の周知・理解の促進を実践していくことも盛り込んだ。

 連合会館で開かれた意見交換には、技能協の青木会長をはじめ役員・理事ら8人、連合側は相原康伸事務局長ら幹部9人が顔をそろえた。はじめに、技能協が改正派遣法など4月施行の同一労働同一賃金に関する法整備への取り組みについて説明したほか、今年1月に公表した「将来ビジョン2030」の要所を紹介。連合は、すべての働く者の処遇改善につなげる"みんなの春闘"に挑戦している「2020年春闘」やハラスメント対策などの活動を報告。これらを踏まえて、双方が活発な意見交換を行った。

n200219_2.jpg 共同宣言に署名した青木会長=写真下・左=は「労働組合のナショナルセンターである連合との対話は健全な労使関係の促進に一定の役割を果たしている。新たな宣言を機に、具体的な活動を展開して実績を積み上げ、業界に期待される使命に真摯(しんし)に向き合い努力していく」と力を込めた。相原事務局長=写真下・右=は「目的に向かって進ちょくしているのか、停滞しているのかを測るひとつの物差しができた。間を空けずに中央レベルで率直な意見交換を続け、この情熱を地域に展開できるところまでつなげたい」と宣言の意義を強調した。

 技能協と連合は、派遣法に関連した今回を含む共同宣言のほかにも、長時間労働の是正に向けた共同宣言も締結している。

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