厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計の昨年12月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は56万5779円(前年同月比0.0%)だった。実質賃金指数(2015年=100)は174.4(同0.9%減)で3カ月連続のマイナス。昨年は9月以外、実質賃金のマイナスが毎月続いている。
基本給の所定内給与は同0.4%増だったが、残業代などの所定外給与が同2.6%減となり、ボーナスの特別給与も同0.2%減だった。働き方改革などで残業の削減を進める企業が増えているものの、「浮いた」残業代を従業員に十分還元していないことが推測される。
月間総実労働時間は140.3時間(同0.4%減)で、13カ月連続の減少。月末の常用労働者数は5134.4万人(同2.1%増)で、パートタイム比率は31.71%(同0.30ポイント増)だった。
この結果、2019年の年間平均では現金給与総額が32万2689円(前年比0.3%減)となり、6年ぶりのマイナス。14年から5年連続でプラスを維持してきたが、19年は所定内給与やボーナスがマイナスになり、賃金の上昇基調は息切れ状態となった。実質賃金も99.9(同0.9%減)と前年の0.2%増から再びマイナスになり、賃金の“目減り”を示している。これが今春闘の賃上げ交渉にどう影響するか、注目される。
月間総実労働時間は139.1時間(同2.2%増)、常用雇用者数は5078.7万人(同2.0%増)となり、パート比率は31.53%(同0.65ポイント増)だった。