厚生労働省が31日発表した昨年10月末現在の「外国人雇用状況」(届け出)によると、外国人労働者数は165万8804人で、1年前より19万8341人、13.6%増と前年に続いて大幅に増え、届け出が義務化された2007年以降の過去最高を更新した。増加は7年連続で、厚労省は政府が推進する高度外国人材の受け入れや雇用情勢の改善で「日本人の配偶者」などの身分に基づく在留資格者の就労増加のほか、技能実習制度の積極活用が要因と分析している。
国別では中国人が最多の41万8327人(同7.5%増)だが、ベトナム人が40万1326人(同26.7%増)で急増し、ほぼ並んだ。次いで、フィリピン人の17万9685人(同9.6%増)が続く。ベトナム人は年内にも中国を上回る勢いで、製造業や介護分野などでの就労が増えている模様だ。
在留資格別では「身分に基づく在留資格」が最多の53万1781人(同7.3%増)で、「技能実習」が38万3978人(同24.5%増)、「専門的・技術的分野の在留資格」が32万9034人(同18.9%増)となり、上位を占めた。昨年4月の改正出入国管理法施行で新設された「特定技能」は520人にとどまっている。
外国人を雇用している事業所も24万2608カ所(同12.1%増)に増えて過去最高を更新。事業所規模では30人未満の中小企業が最も多く、全体の約6割、全外国人労働者の4割弱を占めており、人手不足を補うには外国人労働者が不可欠になっている実情が浮き彫りとなった。
雇用事業所のうち、労働者派遣・請負を行っているのは1万8478カ所(同3.1%増)で、就労数も33万8104人(同9.3%増)と増えている。
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