総務省が24日発表した2019年の全国消費者物価指数(15年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.7(前年比0.6%増)となり、3年連続で上昇した。しかし、伸び率は前年の0.9%を下回り、日銀が掲げる「2%上昇」の目標には遠く及ばなかった。生鮮品を含む総合指数も101.8(同0.5%増)だった。
同省によると、人件費や材料費などの高騰で外食が値上がりしたほか、電気・ガス代や宿泊料、新聞代なども上がった。昨年10月からの消費増税や幼児教育・保育の無償化は、期間が3カ月と短いため、ほとんど影響はなかった。
生鮮食品を覗いた指数は16年に0.3%減のマイナスになった後、17年は0.5%増、18年は0.9%増、19年の0.6%増で3年連続のプラスだが、伸び率は小さく、物価上昇の鈍いデフレ傾向から脱却できないままだ。
消費者物価の結果を受け、厚生労働省は同日、20年度の公的年金の受給額を前年度比0.2%引き上げると発表した。夫婦2人の厚生年金モデル世帯で月額458円増の22万724円になる。2年連続のプラス改定だが、賃金上昇率の0.3%より低く抑えるマクロ経済スライドも2年連続で発動した。