東京商工リサーチが15日発表した2019年の上場企業の早期・希望退職実施状況によると、募集企業は延べ36社、対象人数は1万1351人となったことがわかった。18年の12社、4126人から企業数、対象者とも大幅に増え、過去5年間の最多を更新した。1万人を超えたのは、13年の1万782人以来、6年ぶり。
人数の多かったのは富士通の2850人、ルネサスエレクトロニクスの約1500人、東芝の1410人、ジャパンディスプレイの1200人などで、業績不振の電機・半導体関連企業が12社と目立った。しかし、製薬業界ではアステラス製薬など4社中3社は直近決算が増収増益だったにもかかわらず、募集を実施。薬価改定や国外企業のライセンス販売終了などを控え、今後を見据えた“先行実施”もあった。