東京商工リサーチが14日発表した2019年の企業倒産(負債1000万円以上)は8383件(前年比1.8%増)、負債総額1兆4232億3800万円(同4.2%減)となった。件数はリーマン・ショック時の08年の1万5646件以来、減少を続けていたが、11年ぶりにわずかながら増加に転じた。負債総額は過去30年の最少となった。
同社によると、昨年の特徴は(1)人手不足倒産が過去最多の426件を記録(2)負債10億円以上の大型倒産は185件で、2年連続で200件割れ(3)従業員5人未満の零細企業の比率が74.0%と6年連続で7割を超えたなど。
業種別で増えたのは「織物・衣服・身の回り品小売」の236件(同37件増)、「繊維工業」の129件(同20件増)、「飲食料小売」の316件(同34件増)など。上場企業ではジャスダックの「シベール」の1件のみだった。
負債額の上位は「MT映像ディスプレイ」(大阪府)の約1033億円、「エメラルドグリーンクラブ」(東京都)の約450億円、「AWH」(静岡県)の約400億円など。