政府の個人情報保護委員会は4日、就職活動の学生の「内定辞退率」を企業に販売していた「リクナビ」を運営するリクルートキャリアと親会社のリクルートに対して勧告・指導すると同時に、購入したトヨタ自動車、三菱商事など計37社に対して行政指導した、と発表した。購入企業にはテクノプロ、メイテック、ワールドインテックといった人材ビジネス企業も含まれている。リクルートへの勧告は2回目。
行政指導は個人情報保護法に基づくもので、リクルートには「新商品を検討する際に、法に則り適正に個人情報を取り扱うよう検討、 設計する体制を整備すること」などを勧告。利用企業には「利用目的の通知、公表などを適切に行うこと」などを指導した。
この問題は、リクルートキャリアがリクナビ利用の就活生データから、個別企業ごとの「内定辞退率」を算出し、就活生に無断で企業に販売していたもの。2018年から始め、問題発覚後の今年8月にサービスを廃止したが、同委員会はその間の対象学生を2万6060人としている。
勧告を受けてリクルートキャリアは同日、謝罪とともに適切なデータ利活用を検討する「諮問委員会」を発足させ、外部識者を交えて指針を策定すると発表した。