日本人材紹介事業協会が3日発表した2019年度上半期(19年4月~9月)の会員大手3社の転職紹介実績(速報値)によると、転職紹介人数は過去最高の4万1894人(前年同期比12.4%増)となり、伸び率は落ちたものの依然、転職市場は勢いを維持。半期での4万人台は統計開始以来初めてとなる。
調査に協力しているのは、同協会会員企業のジェイ エイ シー リクルートメント、パーソルキャリア、リクルートキャリアの3社。約10年間の推移=グラフ=をみると、08年のリーマン・ショックの影響で大幅に落ち込んだ09年度下半期(1万853人)を底に転調し、今回の19年度上半期も堅調に伸びた。
19年度上半期の業界別(首都圏)では、対象の6業界のうち、近年低調が続いていた「メディカル」が2250人(同25.7%増)、「金融」が1936人(同16.8%増)と大きな伸びを示したほか、大幅増を続けていた「IT・通信」も6710人(同10.8%増)、「電機・機械・化学等製造」が5805人(同6.6%増)、「コンシューマー(流通、小売り、サービスなど)」が8451人(同9.7%増)、「建設・不動産」は2867人(同13.4%増)で好調を維持した。
地域別では、「北海道・東北エリア」が724人(同29.3%増)、「首都圏」が2万8030人(同11.3%増)、「関西圏」は7222人(同11.0%増)、「中部圏」が3967人(同11.7%増)、「中国・四国エリア」が943人(同35.7%増)、「九州エリア」が858人(同12.6%増)と、すべてで前年同期を上回った。転職紹介人数が圧倒的に多い三大都市圏にとどまらず、全国的に転職の動きは活発化している。
また、求職者の転職時の年齢も、「25歳以下」、「26~30歳」、「31~35歳」、「36~40歳」、「41歳以上」の全年齢層で増加した。人数で最も多かったのは「26~30歳」の1万4511人(同7.4%増)で、次いで「31~35歳」の8528人(同8.6%増)、「25歳以下」の8309人(同12.3%増)の順。伸び率でみると、5690人の「41歳以上」が同29.6%増で最も高かった。