難病対策・小児慢性特定疾患児支援(小慢)合同委員会の第4回「研究・医療ワーキンググループ(WG、五十嵐隆座長)は29日、事務局の厚生労働省から議論の「とりまとめ素案」が提示された。素案は「はじめに」「基本的な考え方」「医療費助成制度」「医療提供体制」「調査・研究」の5項目に渡っている。
中心の「医療費助成制度」では、指定難病への指定は基本的に制度創設時の考えを踏襲するとしたうえで、(1)治療法の進歩に伴い、指定難病とは言い難い状況変化が生じている疾病については、指定解除も検討する(2)小慢から成人への移行(トランジション)では、切れ目のない総合支援の強化が必要(3)認定(重症度)基準は医学的観点から、より公平なものへ見直しが必要(4)医療費助成の対象にならない「軽症者」についてもデータ登録は必要なことから、「指定難病登録者証」(仮称)の発行を検討すべきであり、その前提として登録時のオンライン化を早急に進めるべし――などを盛り込んだ。
これに対して出席委員からは、「指定難病とは言い難い状況変化という表現はあいまいであり、解除という文言は患者家族の不安を募らせる」「登録者証の発行には患者、医師、自治体の負担を考慮した制度が必要」「登録データに基づいた研究成果などは、患者家族らにもわかりやすい公表方法が必要」などの修正意見が相次いだ。
厚労省は、素案にこの日の意見などを加え、年内にWGとしてのとりまとめを正式決定したい考えだ。