厚生労働省が26日発表した2019年「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、1人平均賃金(所定内賃金の1人あたり平均額)を引き上げた、あるいは引き上げる企業の合計は90.2%(前年比0.5ポイント増)で、比較可能なこの21年間で最高を記録した。「官製春闘」や人手不足に対応するため、19年も賃金を引き上げた企業が増えていることが改めてわかった。
平均引き上げ額は5592円(同1.5%減)で前年を下回り、引き上げ率も2.0%と政府が目指した「3%賃上げ」は所定内給与では達成できなかった。従業員規模別では5000人以上企業が6790円(同4.5%減)と前年より低く、999人以下の企業も前年を下回ったが、1000~4999人企業だけは5722円(同1.4%増)と前年を上回った。
調査は8月に実施し、今回は常用労働者100人以上の1647社について集計した。