日本生産性本部が13日発表した「日本の労働生産性の動向2019」によると、18年度の名目生産性は1時間あたり4853円(前年度比0.2%減)となり、7年ぶりに低下した。1人あたり生産性は824万円(同1.2%減)だった。物価下落分を織り込んだ実質生産性は、時間あたりで前年度比横ばい、1人あたりでは同1.0%減と2年ぶりの低下となった。同本部によると、サービス業などが人手不足対策でパート従業員などを増やしたことが低下要因となった。
時間あたり生産性は、長時間労働の是正によって短縮が進んでおり、1990年代の年間1900時間余から18年度は1697時間と初めて1700時間を下回った。これを反映して、生産性も上昇が続いていた。1人あたり生産性もリーマン・ショックのあおりで景気が落ち込んだ11年度を底に、12年度から緩やかながら上昇していた。
長期的にみると、日本の生産性はかなり低く、17年時点での1時間あたりではOECD加盟36カ国中20位、労働者1人あたりでも21位の平均以下。政府は一連の「働き方改革」を通じて生産性上昇の旗を振っている。