東京商工リサーチが7日発表した2019年「後継者不在率」調査によると、後継者が決まっていない中小企業は55.6%と過半数を上回り、中でも労働集約型のサービス業や小売業で不在率が高いことがわかった。
産業別の不在率では、情報通信業が74.1%で最も高く、サービス業が61.7%、小売業が59.3%と高い比率となっており、人手不足が後継者難にも及んでいる可能性がみられる。これに対して、製造業は48.4%で全10産業の中で最も低かった。
後継者の不在率は現経営者が若いほど高くなる傾向にあるものの、経営者が70代でも29.4%、80代でさえ23.9%に上っており、4人に1人は不在という計算だ。
同社はこの結果について、「当面、経営者の高齢化や生産年齢人口の減少に歯止めがかからないだけに、持続的な経済成長の維持には事業譲渡やM&Aを含む事業承継の促進が一段と求められる」とコメントしている。
調査は17年以降の後継者に関する情報が蓄積されている企業のうち、19万521社を無作為抽出、分析した。