労働政策研究・研修機構の労政フォーラム「女性のキャリア形成を考える」が5日、都内で開かれた=写真。政府は「女性活躍」を労働政策の重要課題に掲げ、女性活躍推進法の施行などを通じて旗振りに懸命だが、民間企業の足取りはまだ鈍い。
この日は学習院大学の脇坂明教授が「女性活用“短時間正社員”の重要性」と題して基調講演し、同機構の周燕飛主任研究員が「子育て世帯全国調査」の結果を基に、女性の職業中断を招く要因を解説した。
脇坂教授は、女性の継続就業に必要な育児休業や短時間勤務の必要性などを指摘し、復職後にパート復帰する女性に対しては、基幹業務に従事する女性らを「短時間正社員」として処遇することで人材活用が進む可能性を強調した。
取り組み好事例として、菓子メーカー「三州製菓」(埼玉県春日部市)の斉之平伸一社長▽明治安田生命の村上治也ダイバーシティ推進室主席スタッフ▽明治大学の小川智由商学部教授、の3人が登壇。斉之平氏は、女性社員の定着率を高めるための「一人三役制度」、村上氏は女性管理職30%目標(19年で24.4%)を実現するイクボス育成プログラム、小川氏は中堅女性を対象にしたリカレント教育の内容などについて、それぞれ解説した。