経団連と東京経営者協会は29日、今春入社した新卒初任給の共同調査結果を発表した。それによると、初任給を引き上げた企業は57.2%(前年比1.8ポイント減)の微減だったが、2年連続で過半数を超えた。
学歴別では、大卒平均で事務系が21万7981円(同0.76%増)、技術系が21万7834円(同0.80%増)となったのをはじめ、大学院、高卒などすべての学歴で引き上げられた。高専、短大、高卒は軒並み1%以上増えた。
大卒事務系の伸び率を時系列で見ると、リーマン・ショックによって09年の0.09%増などしばらく低い伸びが続いた。しかし、景気が持ち直し、人手不足が目立つようになったこともあり、14年の0.56%増から伸び率は上昇、毎年、0.6~0.9%の伸びが続いた。
事務系を産業別にみると、製造業は21万5374円、非製造業は22万1127円で非製造業のほうが高かった。業種別では「土木建設」が22万4522円で最も高く、「化学・ゴム」の22万4294円が続いた。
調査は6~7月、会員企業2037社を対象に実施、498社から有効回答を得た(回答率24%)。業種は製造業と非製造業がほぼ半数ずつで、従業員500人以上が79%
を占めた。