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2019年9月24日

AIの進化と労働市場の変化を見据え、人材サービス産業の役割を考察  JHRのシンポジウム

n190924_1.jpg 人材サービス産業協議会(JHR、水田正道理事長)は24日、都内で「2030年の労働市場と人材サービス産業の役割」をテーマにシンポジウムを開いた=写真上。基調講演やパネルディスカッションなどを通して、AI(人工知能)の飛躍的な進化がもたらす雇用構造と労働市場の変化を見据えながら、人材サービス産業が果たす新たな役割と責務を考察した。11月7日には大阪で開催する。

 JHRは主要な民間人材サービス業界5団体が出資・運営している横断的な組織で、労働市場で起こる課題に取り組み、次世代の労働市場の創造を目的に活動。全国求人情報協会(全求協・求人広告)、日本人材紹介事業協会(人材協・職業紹介)、日本人材派遣協会(派遣協・人材派遣)、日本生産技能労務協会(技能協・製造業請負および派遣)、NEOA(ネオ・無期雇用型エンジニア派遣)が参画している。

 2012年7月に前身の「人材サービス産業の近未来を考える会」を経て設立されたJHRは、16年に「政策の立案・実現」と「業界全体の人材力向上」を強力に推進する体制として常設の「労働政策委員会」と「ソーシャル・バリュー推進委員会」を設置。今回のシンポジウムは、同推進委員会が中心となって企画した。

n190924_2.jpg 基調講演は、AIを活用したサービス開発を手掛けるエクサウィザーズ社長の石山洸氏=写真中=が「AIと2030年の労働市場の姿について」と題して登壇。認知症治療に対応する介護現場でAIを導入している活用事例を紹介したうえで、人工知能の特性や特徴を説明。「もっと多くの分野で幅広く利用できる可能性があり、一歩先のイノベーティブなアイデアを見つけていくことが人材サービスにとって重要なポイントになってくる」と強調した。

 これを受けて、全求協理事長でJHR理事の鈴木孝二氏が、今回のシンポジウムのテーマになっているタイトルの調査報告書(9月20日・JHR発行)を披露。市場規模や需給構造、転職市場の変化をデータを基にまとめたもので、その要所を解説しながら「人材サービス産業は今まで培ってきた経験とノウハウを棚卸しするとともに、AIによる変化を視野に求人側と求職側にしっかり提案していける存在になっていこう」と呼び掛けた。

 n190924_3.jpgパネルディスカッションは、「これからの人材サービスに期待されていること」と題して繰り広げられた=写真下。学習院大学の今野浩一郎名誉教授が進行役となり、登壇した石山氏と鈴木氏をパネラーに、AIと労働市場の現状と今後について掘り下げ、社会の課題解決の一端に寄与していく重要性を共有した。

 11月7日に開く大阪会場のシンポジウムの基調講演は、「AIと働き方」と題して慶応大商学部の山本勲教授が登壇する。

 

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