帝国データバンクが12日発表した「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」によると、人手不足の緩和に3割の企業がシニア活用を考え、4割の企業が賃金アップで対処する考えであることがわかった。
人手不足は生産現場や営業部門などが顕著で、「需要増加への対応が困難」などの影響が出ている。このため、今後、積極活用したい人材としては「シニア」(29.2%)や「女性」(27.9%)が多かったが、「外国人」は13.7%程度だった。
具体的な取り組み(複数回答)としては「賃金水準の引き上げ」が38.1%で最も多く、「職場内コミュニケーションの活性化」(36.7%)、「残業などの削減」(35.0%)などが続いた。賃金アップは大企業の34.9%に対して、中小企業は38.9%に上り、背に腹は代えられない状況がうかがえる。
外国人材の活用ニーズが低いことについて、同社は「制度のわかりにくさを指摘する企業の声も多い。政府や行政機関には、きめ細やかな制度の構築や詳細な説明を行うことが求められる」と解説している。
調査は8月下旬、全国2万3638社を対象に実施し、1万7社から有効回答(回答率42.3%)を得た。