働いている日本人はアジア各国の人々に比べると、管理職志向や社外の自己研鑽などが目立って低く、このままでは国際競争力の低下が避けられそうにないとの結果が、パーソル総研が27日発表した「APACの就業実態・成長意識調査」で明らかになった。
調査は今年2~3月、日本をはじめ中国、韓国、インドネシア、インド、豪州など14カ国・地域のアジア太平洋地域(APAC)で働く20~69歳男女各1000人を対象に実施した。
その結果、管理職希望者の割合はインドが86.2%でトップだったが、日本は最下位の21.4%。勤務先以外での学習・自己研鑽も「特に何もしていない」が46.3%で、日本に次いで高いニュージーランドの22.1%と比べてもダントツだった。「起業・独立志向」は4.8%の最下位だった。
「女性上司の下で働くことに抵抗はない」「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」と回答した割合も5段階評価の各3.8ポイント、3.5ポイントで最も低く、日本企業にダイバーシティーの浸透が困難な背景を裏付けた。
これらの結果について、同社は「国際競争力が低下する懸念が強く、日本型雇用が直面している“機能不全”と切り離すことはむずかしい」と分析している。