2019年度の最低賃金(最賃)引き上げ額について、厚生労働省の中央最低賃金審議会の「目安に関する小委員会」(藤村博之委員長)は31日未明、全国加重平均の目安額を27円とすることを決めた。実現すれば、最賃は18年度の874円から901円となり、最も高い東京都は985円から1013円、次いで神奈川県も983円から1011円へと、初めて1000円を超える。引き上げ率は3.09%と、過去3年の約3%と同水準で、4年連続の3%台となる。
目安額は物価や所得水準などを基に、都道府県をA~Dの四つのランクに分けており、東京など大都市部のAが28円、Bが27円、CとDが26円を目安とした。この目安を参考に、都道府県ごとの審議会で引き上げ額を決定し、10月以降から順次実施される。
最賃については、政府が6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)などの中で「この3年、年率3%程度をメドに引き上げられてきたことを踏まえ、(中略)より早期に全国加重平均が1000円になることを目指す」と明記し、今年の審議では「骨太の方針に配慮した審議を求める」と諮問されていた。
しかし、16年度から3年連続の3%台という急激な上げ幅に対して、経営体力の弱い中小企業経営者らが反発。日本商工会議所が6月に3%以上の上げ幅に反対する声明を出すなど、今年の審議は難航が予想されたものの、最後は政府方針に沿う答申となった。