労働政策研究・研修機構の労働政策フォーラム「就職氷河期世代の現在・過去・未来」が25日、都内で開かれた=写真。同機構の堀有喜衣主任研究員が2017年版就業構造基本調査を基に、フリーターなどから正社員への移行は進んでいるが、収入が低いなどの問題が残っているといった氷河期世代の特徴を分析、解説した。
続いて、氷河期世代を中心にした支援を実施している釧路社会的企業創造協議会の櫛部武俊副代表、NPO法人青少年自立援助センターの河野久忠常務理事、同HELLOlifeの古市邦人事務局長の3人が、それぞれの実践状況を披露。東大社会科学研究所の玄田有史教授が推定48万人の孤立無業者(SNEP)について、「親子ペア就業」などを通じて地域の担い手となれる可能性を示唆した。
同機構の小杉礼子研究顧問の司会でパネルディスカッションに移ったが、3人が口をそろえたのは、氷河期世代の多くが抱いている「あきらめ感」や「いまさら感」で、とりわけ30代後半~40代前半の人たちに多い。また、本人だけでなく家族も含めた「孤立感」も強く、「家族支援がカギになる」(河野氏)との有力意見もあった。
氷河期世代の支援については、政府が6月に閣議決定した「骨太の方針」で、「今後3年間で30万人を正社員化する」との方針を打ち出しているが、この日の議論ではかなり難航する可能性が高い印象だった。しかし、玄田教授は「既婚女性の正規雇用が進めば可能」としている。