東京商工リサーチが2日発表した2019年度「賃上げに関するアンケート調査」によると、賃上げを実施したのは80.9%の6223社で、前年より1.3ポイント減少した。大企業(資本金1億円以上)の81.5%に対して中小企業(同1億円未満)は80.8%と、大企業が0.7ポイント上回ったが、前年の2.8ポイントから差は縮小した。中小の46.0%が「従業員の引き止め」を賃上げ理由に挙げており、同社は「最低賃金の上昇に加え、人手不足を背景に賃上げ圧力が高まっている」と分析している。
賃上げの内容(複数回答)は「定期昇給」(78.8%)、「ベースアップ」(42.0%)、「賞与の増額」(32.9%)などで、両者に大きな差はなかった。しかし、「新卒初任給の増額」では大企業の25.4%に対して、中小企業は15.6%で、前年と同様に大きな開きがあった。
調査は5月下旬に実施、7693社から有効回答を得た。