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2019年6月29日

精神障害やや減少も、医療・福祉で多発  厚労省の18年度労災決定件数

 厚生労働省が28日発表した2018年度「過労死等の労災補償状況」によると、脳・心臓疾患の労災請求件数は877件(前年度比37件増)で、そのうち業務上と業務外の決定件数は689件(同25件増)。決定件数のうち、業務上と認定した支給決定件数は238件(同15件減)となり、認定率は34.5%(同3.6ポイント減)だった。

 このうち死亡事故は請求件数が254件(同13件減)、決定件数は217件(同19件減)、支給決定件数は82件(同10件減)、認定率は37.8%(同1.2ポイント減)となり、昨年をさらに下回る最低水準となった。

 これに対して、精神障害の労災補償は請求件数が1820件(同88件増)、決定件数が1461件(同84件減)、支給決定件数が465件(同41件減)、認定率は31.8%(同1.0ポイント減)となった。請求件数は1983年度の統計開始以来の過去最高を記録したが、決定件数はやや減少した。

 このうち、自殺(未遂を含む)は請求件数が200件(同21件減)、決定件数が199件(同9件減)、支給決定件数が76件(同22件減)、認定率は38.2%(同8.9ポイント減)となった。昨年より請求件数、決定件数とも減ったが、今後も減少が続くかどうかは不透明だ。

 請求件数で多い業種は、「社会保険・社会福祉・介護事業」の192件、「医療」の127件と医療・福祉分野が例年同様に突出して多く、支給決定件数も各35件ずつとなった。決定件数を年齢別にみると、最も多いのは「40~49歳」の468件、次いで「30~39歳」の406件と働き盛りが多い。また、就労形態別では正社員が1216件、83%と圧倒的多数を占めている。

 決定件数の理由では「上司とのトラブル」が最多の255件で、次いで「仕事内容などの大きな変化」が181件、「嫌がらせ、いじめ、暴行など」が178件と突出しており、職場の人間関係が大きな要因になっている。

 一方、裁量労働制下の就労者の労災は、脳・心臓疾患で決定件数2件(うち支給決定件数1件)、精神障害で10件(同5件)と、昨年の各6件、19件を大きく下回っている。裁量労働制には専門業務型と企画業務型があるが、脳・心臓疾患、精神障害ともに専門業務型のみだった。

 

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