厚生労働省が25日発表した2018年度「障害者雇用実態調査」によると、障害者雇用数は82万1000人で、内訳は身体障害者が42万3000人、知的障害者が18万9000人、精神障害者が20万人、発達障害者が3万9000人。
身体障害者の場合、最も多い産業は卸・小売の23.1%で、年齢は55~59歳が最多の15.0%を占めた。週の所定労働時間は30時間以上が79.8%、1カ月の平均賃金は21万5000円。平均勤続年数は10年2カ月。
知的障害者の場合は製造業が最多の25.9%を占め、年齢は20~24歳が最多の23.6%。労働時間は30時間以上が65.5%で、賃金は11万7000円、勤続年数は7年5カ月。
精神障害者の場合は卸・小売が53.9%でダントツに高く、45~49歳が18.0%で最も多い。労働時間は30時間以上が47.2%だったが、20時間以上~30時間未満も39.7%あった。賃金は12万5000円、勤続は3年2カ月。5年前から4倍以上に急増したが、勤続年数の短さが際立っている。
雇用者に対する配慮事項では、身体障害者では「通院・服薬管理」、知的障害者と精神障害者では「短時間勤務」などが多かった(複数回答)。
同調査は今回から、1人の障害者の障害が重複する場合、それぞれの雇用数にカウントしたため、全体数とは合わない。また、13年度との単純比較も困難、としている。
また、同省が毎年発表している「障害者雇用状況」では、雇用総数は53万5000人となっており、今回調査より大幅に少ないが、これは法定雇用率を義務付けられている従業員45.5人以上の企業が対象のため。
この調査は5年ごとに実施、今回は正社員5人以上を雇用している企業から無作為抽出した9200事業所を対象に、6月1日時点の状況を回答してもらった。回答数は6181事業所で回答率は67.2%。雇用数などはこの回答から推計した。