日本人材派遣協会(水田正道会長)は12日、東京・丸の内で2019年度定時総会を開いた=写真。4月から順次施行された「働き方改革関連法」と来年以降に施行となる法律の動きをとらえ、「労働者派遣法・労働関連法規への対応」と「派遣社員のキャリア形成支援」を中核事業に活動を展開していくことを確認し合った。
総会では、水田会長らが報告した18年度事業報告と決算などを満場一致で承認した。19年度事業計画では、2つの事業を展開する具体策として、会員企業の活動を支援する情報提供の強化や改正法に対応したコンテンツの制作、各地でのセミナーの開催、eラーニングシステムを軸とする教育コンテンツの拡充などを推し進める。
また、昨年の理事・監事の改選後(任期2年)に欠員が生じた役員の補充および増員強化を目的とする議案が上程され、新たに猪又明美氏(東洋ワーク副社長)、大原茂氏(ウィルグループ社長)、中尾慎太郎氏(パソナ社長)、山本慎也氏(リクルートスタッフィング社長)が理事に、秋末哲氏(アヴァンティスタッフ社長)が監事に選任された。
講演会では、厚生労働省・職業安定局需給調整事業課の牛島聡課長が「同一労働同一賃金について」と題して講演。「同一労働同一賃金ガイドライン」の着眼点と留意点を整理したうえで、事業主が実施する「派遣2方式」の実務の流れについて丁寧に解説した。特に、労使協定方式の運用に向けて、年内に準備を進めておく必要性を強調した。
懇親会の冒頭、水田会長は同一労働同一賃金に伴う来年4月施行の改正派遣法に触れ、「事業者にとって準備や対応すべきことがたくさんあって大変なのは間違いない。そうした中で、派遣社員の待遇が上がる契機になればと考えており、派遣という働き方が魅力的であることを示していくためにも、法の趣旨をしっかり理解したうえで料金改定に汗を流していくことが健全な業界発展のカギとなる」と力を込めた。