マイナビが4日発表した「AI推進社会におけるキャリア観に関する調査」によると、来春卒業する大学生・大学院生の75.4%が「AI・IT職種を志望しない」ことがわかった。志望者の中で最も多いのは「システムエンジニア」の12.9%にとどまった。
文理別にみても、その傾向はあまり変わらず、文系男子は72.7%、同女子は82.4%、理系男子は67.1%、同女子は81.0%が「志望しない」と回答している。理系の人気職種は自分の専攻を生かした「研究職」が多い。
「志望する」と答えた1512人に、「志望するうえで困難を感じること」(複数回答)を聞いたところ、「どの程度のプログラミングスキルを求められるのか、基準がわからないから」が圧倒的多数の61.1%にのぼった。企業側も具体的な業務内容や必要なスキルなどを、学生側に明確に示す必要がありそうだ。
政府や経済界は、日本経済の成長にはAI・IT人材の育成が急務として、20年度から小学校でのプログラミング教育を必修にするなど対応に努めている。しかし、同社によると、現在の大学生らはそうした教育を受けて来なかった人が多いことから、別の職種を希望する傾向が強いとみられ、企業側も当面は社内外の教育訓練などを通じて人材育成を図る必要に迫られそうだ。
調査は4月下旬に実施、全国のマイナビ会員7342人から回答を得た。