連合が28日発表した「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」によると、ハラスメントを受けたことのある人は37.5%あり、その内容は「脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言などの精神的攻撃」が41.1%で最も多く、「セクハラ」の26.7%、「不要業務・遂行不可能業務の強制、過大要求」の25.9%などが続いた(複数回答)。
世代別、男女別にみると、精神的攻撃で最も多かったのは「30代男性」の52.9%、業務強制・妨害で最も多かったのは「50代男性」の37.8%。セクハラでは「20代女性」が43.1%で最も多かったが、「30代女性」も37.5%、「40代女性」も38.8%にのぼった。
上司からのハラスメントで最も多かったのは「精神的攻撃」の21.7%で、同僚からのハラスメントでは「人間関係からの切り離し(隔離、仲間外し、無視など)」が19.4%で最多だった。取引先からのハラスメントでは「セクハラ」が28.1%、顧客(消費者)からでは「精神的攻撃」が23.3%で最も多かった。
被害への対応としては、誰かに「相談した」人は56.0%いたが、「相談しなかった」も44.0%あり、相談しなかった理由(複数回答)では「相談しても無駄だと思ったから」が67.3%にのぼった。
ハラスメントについて、パワハラは労働施策総合推進法、セクハラは男女雇用機会均等法を改正して、企業に防止措置を講じるよう義務付けることになっているが、ハラスメント自体の禁止規定はなく、連合は6月のILO総会で採択が予定されているハラスメント禁止条約案の支持と批准を政府に求めている。
調査は5月上旬、全国の20~59歳の男女会社員500人ずつの計1000人から回答を得た。
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