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2019年5月22日

2030年を見据えた「将来ビジョン」策定へ  技能協の19年度定時総会・講演会

 製造請負・派遣の業界団体、日本生産技能労務協会(JSLA、青木秀登会長)は22日、都内で2019年度定時総会を開き、製造系人材サービス業で働く人たちのキャリア形成支援を積極的に展開し、日本のものづくりを支えていくことを確認し合った=写真・上。任期満了に伴う役員改選(任期2年)では、16人の理事を選任し、青木会長(ランスタッド執行役員)の再任を決めた。

n190522_4.jpg 理事長は平尾隆志氏(フジアルテ社長)を再任したほか、副理事長に清水竜一氏(日総工産会長)と齋藤哲一氏(三幸コーポレーション社長)を新たに選出。また、新理事として大本寛氏(セントラルサービス社長)と梶野秀彦氏(シグマテック社長)の2氏が加わった。

 総会で、青木会長は「働き方改革関連法の順次施行に伴い、残業時間の罰則付き上限規制や有給休暇の付与義務化などが4月にスタートした。これらの対応と並行して、来春施行の同一労働同一賃金に関する改正派遣法に向けた準備も着実に進めていく必要がある」と指摘。そのうえで、「激しい変化に適応できる知識やノウハウなどを会員企業のみなさまに提供し続けられるよう、これまで以上に技能協は旬なテーマや教育ツールの充実に努めていく」と力を込めた。

 本年度の事業計画の柱は、製造系人材サービス業を取り巻く大きな環境変化を踏まえ、「JSLA将来ビジョン検討プロジェクトチーム」を設置。技能協と事業者が進むべき方向性を明確にするため、2030年を見据えたビジョンを策定する。このほか、(1)優良で適正な製造請負事業者の育成推進、(2)製造系人材サービス業界で働く労働者のキャリア形成支援、(3)会員ニーズに対応したセミナー等の実施、(4)外国人材の活用についての支援、(5)政策立案と情報発信の充実、(6)関係団体との連携、(7)協会活動の充実――を推し進める。

n190522_5.jpg 総会後の講演会では、経済産業省製造産業局の三上建治・製造産業技術戦略室長が「製造業における特定技能外国人材の受け入れについて」、経営アドバイザーの本原仁志・元リクルートスタッフィング社長が「世界から見た日本」と題して講演した=写真・下

 三上氏は、4月から実施された外国人材の受け入れ14分野のうち、同省が管轄する素形材、産業機械製造、電気・電子情報関連の3産業について、受け入れの法的手続きなどについて解説。受け入れ機関や登録支援機関の概要などを分かりやすく説明し、「受け入れ企業は受け入れ協議・連絡会に必ず加入してほしい」と要請した。政府は3産業について、5年間で3万1500人程度の受け入れを予定している。

 本原氏はリクルートホールディングス時代、海外人材派遣会社の買収などを手掛けるため、米国を拠点に約8年間生活した体験を披露。そこで感じた日米の働く人たちのライフスタイルやワーキングスタイルの違いを通じて、「元気な米国」と「元気のない日本」の要因を分析したうえで、「日本も給与などにインセンティブを設けることで地域の活性化につながる」と持論を展開した。

 

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