リクルートワークス研究所は24日、2020年大卒求人倍率調査を発表した。それによると、求人倍率は1.83倍(前年比0.05ポイント減)と8年ぶりに下落したが、リーマン・ショックで落ち込んだ10年卒以降では2番目の高さで、来年も学生側の「売り手市場」が続くことは間違いなさそうだ。
近年の求人倍率はリーマン・ショックの影響が出る前の08、09年が2.14倍の最高だったが、その後の不況で3年連続の下落。12年の1.23倍を底に7年連続で上昇したが、ここ数年の求人倍率は景気動向以上に労働力不足という構造要因が絡んでいるとみられる。
企業規模別では、中小企業(従業員300人未満)は8.62倍(同1.29ポイント減)と下がったが、大企業(同5000人以上)は0.42倍(同0.05ポイント増)で上昇した。業種別では、流通業が最も高い11.04倍(同1.53ポイント減)、建設業も6.21倍(同3.34ポイント減)といずれも低下した。
調査は1~3月、企業は従業員5人以上の7200社を対象に実施、4413社から回答を得た(回答率61.3%)。大学生・大学院生はリクナビ会員4301人を対象に、1735人から回答を得た(回答率40.3%)。調査を基に、企業の求人数は80.5万人(同1.1%減)、学生の就職希望数は44.0万人(同1.7%増)と推計した。