改正労働者派遣法の施行を来年4月に控え、製造請負・派遣の業界団体、日本生産技能労務協会(青木秀登会長)は22日、都内で「業務取扱要領(同一労働同一賃金)」の説明会を開いた=写真。3月29日付で厚生労働省が公表した事業者用の業務取扱要領について、要所を早急に周知するため、同協会の政策広報委員会が会員企業を対象に企画。厚労省の職業安定局需給調整事業課の牛島聡課長が講師を務めた。5月13日には大阪で開催する。
改正派遣法に関する省令・指針などが昨年暮れに固まったことを踏まえ、厚労省が運用面で重要となる業務取扱要領の策定を進めていた。「派遣先労働者との均等・均衡方式」か「派遣元の労使協定による待遇決定方式」のいずれかの確保が義務化される「2方式」を巡っては、現場での運用方法が「複雑かつ難解」との指摘があり、準備を急ぎたい事業者から公表が待たれていた。
この日の説明会には、会員企業から約200人が参加。牛島課長は、「同一労働同一賃金ガイドライン」の着眼点を整理したうえで、事業主が実施すべき「2方式」の実務の流れについて約3時間にわたり説明。特に、労使協定方式の運用には一定期間を要することから、年内に準備や体制を整えておく必要性を強調した。
改正派遣法は、働き方改革関連法の中の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」に伴う改正で、大企業と中小企業の区別なく来年4月に施行となる。