パソナグループの日本CHO協会は26日、東京・大手町の同グループ本社で公開シンポジウム「シニアが活躍する社会と企業への道程」を開き、企業の人事担当者らが参加した。50代社員の先行きを中心に、みずほ情報総研の田中文隆氏が「70歳雇用時代を見据えた人事戦略の転換」、一般社団法人「定年後研究所」の得丸英司所長が「“自走人生”のススメ」と題して講演した。
得丸氏は、会社員の50代から定年までを「自走人生」の準備期間と位置づけ、多くの中高年社員がモチベーションの低下などに陥りがちな「50代シンドローム」の克服法について、「企業と社員の二人三脚が必要」と強調した。
この後のトークセッション「活躍するアクティブシニアの働き方を解き明かす」ではパソナマスターズの中田光佐子社長の進行で、高島屋勤務で副業を営む堀越和彦氏(65)、人事コンサルタント業の井川裕行氏(61)、「睡眠」コンサルタントのヨシダヨウコ氏(52)、ソニーOBで東京セカンドキャリア塾生の高倉成行氏(65)の4人が、それぞれの体験的セカンドワーク論を披露した=写真。
シニア活用に関する企業への注文としては、「社内副業制度の導入を」(堀越氏)、「第二の人生設計には10年ほどの準備期間が絶対に必要」(井川氏)、「社員が企業の外の空気を感じられる環境整備を」(ヨシダ氏)、「不活性なシニア社員には課題を与えて活性化させる方法を考えてほしい」(高倉氏)などの意見が相次いだ。