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2019年3月18日

今後のオランダと日本の労働課題を議論  シンポ「仕事の未来~新たな成功体験」

n190318_1.jpg オランダ大使館とオランダに本社がある総合人材サービス会社、ランスタッド日本法人の共催によるシンポジウム「仕事の未来~新たな成功体験を探る」が18日、都内で開かれた=写真・上。オランダは1980年代に政労使の「ワッセナー合意」を皮切りに、停滞から成長へカジの切り替えに成功した「ポルダー(開拓地)・モデル」の発祥の地とあって、日本が学ぶべき点の多い国として知られる。

n190318_2.jpg ランスタッドHD幹部でWEC(世界雇用連合)会長のアンネマリー・ムンツ氏=写真・中=が「テック&タッチ時代の社会的イノベーション」と題して基調講演。AIなどによる技術変化が世界規模の社会経済・労働市場の変化をもたらす未来においては、人間の仕事がロボットなどに部分的に取って代わられることはあるにせよ、新たな仕事がそれ以上に生まれるため、「持続可能な仕事の未来に対する包括的アプローチが必要」と指摘した。

 OECD(経済協力開発機構)東京センター長の村上由美子氏も「OECDからの政策提言」として、「第4次産業革命」の進行による労働市場の改廃は避けられないものの、各国ごとにスキル、規制、社会的保障などの包括的な政策変更を通じて、「生涯に渡るスキル開発モデルを構築すべきだ」と強調した。

n190318_3.jpg この後、村上氏を進行役にアムステルダム大学のパウル・デ・ベール教授、OECDシニアエコノミストのウィレム・アデマ氏、日本女子大教授の大沢真知子氏、ムンツ氏の4人によるパネルディスカッションが行われた=写真・下

 デ・ベール氏は、正規と非正規の区分を撤廃してワークシェアリングを実現したポルダー・モデルの成功内容と現代の課題を解説。アデマ氏は、労働力参加率にみられる男女の「ジェンダー・ギャップ」の縮小の必要性を強調。大沢氏は日本の男女の賃金格差などを引きながら、長時間労働の是正が喫緊の課題とし、「オランダからは、いかにして男性稼ぎ主社会から共稼ぎワークライフバランス社会を実現したかを学ぶべきだ」と問題提起。労働環境をめぐって新たな成功体験の道を探った。
 

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