日本人材派遣協会が19日発表した2018年第4四半期(10~12月)の派遣事業統計調査(506事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均36万6135人(前年同期比4.4%増)で、13年第3四半期から22四半期連続で前年同期を上回った=グラフ。18年は年初から伸び率の鈍化が続いていたものの、10~12月期は主要市場の南関東が大きく伸びたことなどから全体をけん引。その結果、18年の年間平均は35万5560万人(前年比3.1%増)と5年連続の増加となり、稼働者数は9年ぶりに35万人台を回復した。企業の求人意欲はあらゆる雇用形態で衰えていない。
統計調査を開始した08年の実稼働者数の年間平均は43万161人。その後、リーマン・ショック(08年)や従来までの行政指導の解釈を事実上“変えた”「専門26業務派遣適正化プラン」(10年)、東日本大震災(11年)などの影響を受け、13年第2四半期には27万人台に激減。その後は、景気回復と人手不足を背景に緩やかに上昇し、15年には30万人台まで持ち直していた。
18年を業務別にみると、「一般事務」が12万8622人(同10.8%増)と二ケタの伸び。次いで「貿易」が8984人(同29.8%増)と大きく増え、「製造」も1万1749人(同6.2%増)と伸びた。「製造」は13年第4四半期(10月~12月)から21四半期連続のプラスが続いている。一方、「機器操作」は6万7022人(同6.3%減)、「財務」が1万2614人(同14.5%減)、「販売」も5559人(同4.2%減)と前年を割り込んだ。
「紹介予定派遣」は7~9月期に13四半期ぶりにプラスに転じたが、10~12月期に再びマイナスとなった。このため、実稼働者は5336人(同0.7%減)と4年連続で減少したものの、成約件数は合計1万9452件(同58.7%増)と大きく増えた。短期派遣の「日雇い労働者」(30日以内)は8万9812人(同2.0%増)となり、17年に続く微増だった。