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2019年1月28日

基幹統計で新たに不適切処理、厚労省の「賃金構造基本統計」 

 厚生労働省の「毎月勤労統計」などの基幹統計で不正・不適切な処理が行われていた問題で、総務省は28日、新たに厚労省所管の「賃金構造基本統計」でも調査計画と異なる不適切な調査手法が見つかったと発表した。同統計は来年4月施行の改正労働者派遣法において、職種別の賃金水準を局長通達で示す際の基になる統計のひとつ。厚労省は原因や影響などを調べている。

 基幹統計の一斉点検をしていた総務省は今月24日に、56の基幹統計のうち22統計で不適切な処理があったと発表していた。25日夕に、厚労省から「賃金構造基本統計」の調査手法の誤りに関する報告があったという。これで計23統計に拡大した。現時点で、同統計の数値の訂正が必要かどうかは分かっていない。

 総務省によると、調査員が対象先に訪問調査すべきところを郵送で送付・回収していたり、調査対象の「宿泊業・飲食サービス業」のうち、「バーやキャバレー、ナイトクラブ」を外したりしていた。また、回答期限を計画より早めに通知したケースもあった。

 同統計は、主要産業の賃金実態を雇用や就業の形態、職種、年齢、勤続年数別などで明らかにする目的で、毎年実施している。改正派遣法では、「派遣先の労働者との均等・均衡による待遇改善」と「派遣元との労使協定による一定水準を満たす待遇決定」――という2方式の運用が義務付けられる。このうち、「労使協定方式」では「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準及びそれと比較する派遣労働者の賃金」について、(1)局長通達で示す統計、(2)局長通達で示す統計以外——の2つがあり、(1)は「賃金構造基本統計」と「職業安定業務統計(ハローワーク統計)」をもとに職種別に賃金水準を毎年示すことになっている。

 

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