厚生労働省が25日発表した2018年10月末現在の「外国人雇用状況」(届け出)によると、外国人労働者数は146万463人で、1年前より18万1793人、14.2%増と前年に続いて大幅に増え、届け出が義務化された07年以降の過去最高を更新、派遣労働者の130万人(総務省調査)を上回った。増加は6年連続で、厚労省は政府が推進している高度外国人材や留学生の受け入れ増、永住者らの就労増などが要因と分析している。
国別では中国人が最多の38万9117人(同4.5%増)で、ベトナム人の31万6840人(同31.9%増)、フィリピン人の16万4006人(同11.7%増)が続く。ベトナム人は前年に続いて3割増と大幅に増え続けており、製造業や介護分野などでの就労が増えているとみられる。
在留資格別では「身分に基づく在留資格」が最多の49万5668人(同8.0%増)で、「技能実習」が30万8489人(同19.7%増)、「留学などの資格外活動」が29万8461人(同15.0%増)となり、上位を占めた。
外国人を雇用している事業所も21万6348カ所(同11.2%増)に増えて過去最高を更新。事業所規模では30人未満の中小企業が最も多く、全体の58.8%、全外国人労働者の34.7%を占めており、人手不足を補うには外国人労働者が不可欠になっている実情を浮かび上がらせている。
雇用事業所のうち、労働者派遣・請負を行っているのは1万7876カ所(同3.3%増)で、就労数も30万9470人(同13.1%増)と大きく増えている。
外国人労働者については、4月に施行される改正出入国管理法で、農業、介護、造船など14業種で受け入れを拡大する見通しで、19年は増加ペースがさらに加速すると予想される。しかし、技能実習生の失踪問題や日本語の習得など、労働環境をめぐる課題も増えることが予想されており、官民挙げて早急な対応が求められている。