厚生労働省が28日発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.63倍となった。倍率は9月に上昇、10月は低下し、再び上昇して高止まり状態が続く。第1次石油ショック直後の74年1月の1.64倍以来の水準。
都道府県別(就業地別)では、前月と同様に福井県の2.20倍が最高で、最低は北海道と高知県の1.24倍だった。新規求人倍率は2.40倍で前月と同じ。新規求人数(原数値)は前年同月比2.6%増で、業種別では建設の同7.1%増、運輸・郵便の同5.2%増、医療・福祉の同5.1%増などの増加が目立った。逆に、生活関連サービス・娯楽は同6.3%減、宿泊・飲食サービスも同3.8%減の減少となった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.13倍だった。
11月の完全失業率2.5%、2カ月連続の上昇
総務省が28日発表した11月の就業者数は6709万人で、前年同月比157万人増と71カ月連続の増加となった。完全失業者は168万人で同10万人の減少、102カ月連続の減少となり、完全雇用の状態が続いている。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.5%となり、2カ月連続で上昇した。失業率は5月に2.2%まで低下し、6月、7月と上昇に転じたが、8月から再び低下するなど、一進一退の動きが続いていたが、年末に近づきジリジリ上昇している。依然として1993年半ばと同じ水準。男女別では男性が2.7%、女性が2.3%で、女性が同0.1ポイント悪化した。
雇用形態別では、役員を除く雇用者5661万人のうち、正社員は3519万人で前年同月より63万人増。非正規社員も2142万人で同81万人増となり、非正規率は37.8%と前月より0.2ポイントの低下。非正規のうち派遣社員は136万人で同2万人増加した。