総務省統計局が21日発表した「統計Today」によると、労働力調査における年齢区分を従来の「15~64歳」に加え、「20~69歳」の区分も加える方針を明らかにした。「15~64歳」人口が1995年でピークアウトしたのに対して、2013年以降は65歳以上の労働力人口が増加しているため。
労働力人口は12年の6565万人を底に毎年増え続け、17年は6720万人と5年間で155万人増えている。主要因は男性高齢者の増加で、「15~64歳」が5年間で131万人減ったのに対して、「65歳以上」は119万人増えた。女性の場合は、「15~64歳」が74万人、「65歳以上」が94万人とどちらも増えている。
15年国勢調査から年齢別労働力をみると、男性の場合は20歳で53.2%と50%台を超え、25~59歳までは90%以上の水準で推移し、68歳で52.0%、69歳でも47.3%と50%近いレベルにある。女性の場合も20歳で50%を超え、かつての「M字カーブ」は解消されつつある。労働力率が50%を超える層を労働力の中心とみれば、現代は「20~69歳」が中核的存在ということになる。
現在の年齢区分は国際基準に沿ったもので、国際比較のために必要だが、高齢者の就労が増えて、労働力の中心層に加わっている現状から、雇用情勢の的確な把握のためには、従来の「15~64歳」の区分に加え、「20~69歳」区分も追加的に設定することが有効であり、同省は早期の統計整備を検討している。