パソナ総研は10日、「新たな在留資格に関するアジア諸国での意識調査」を発表した。それによると、新在留資格のうち就労期間の上限5年や日本語能力の必要性については、大多数が問題なしと受け止めているものの、家族の同伴が認められないことには賛否が半々に分かれた。
調査は11月中旬、パソナグループの海外法人などに登録している外国人を対象に実施。インド、インドネシア、フィリピン、ベトナムの4カ国の857人から回答を得た。回答者は20代が過半数、男性が6割、大卒が7割、初歩の日本語能力を持つ人が3割。
新在留資格の上限5年については、66%が「妥当」、21%が「短か過ぎる」、13%が「長過ぎる」と回答。働きたい期間は「3~5年未満」と「5~10年未満」が34%ずつを占めた。日常会話のできる日本語能力の要件には65%が「妥当」と答えた。しかし、家族同伴の禁止については、52%が「妥当」、48%が「同伴できるようにしてほしい」と答え、ほぼ半数ずつに分かれた。
働きたい職種(複数回答)では、「食料品製造」が26.9%で最も多く、「産業機械製造」の20.1%、「電気・電子機器関連」と「外食」の各18.8%などが上位。「農業」は13.7%、「介護」は10.2%にとどまった。また、回答者の9割を女性が占めるフィリピンでは「ビルクリーニング」が最多の45.3%に上った。
日本での就労目的は「スキルアップ」の71.6%、「収入増」の66.7%、「見分を広げる」の66.5%が多かった(複数回答)。
このほど成立した改正出入国管理法では、新在留資格として「特定技能1号」と「同2号」に分け、1号は上限5年や家族同伴不可。2号は在留期限が更新できるため、条件を満たせば長期の滞在や家族の同伴が可能となる。同総研によると、回答者はかねてより日本での就労を希望、興味のある人がほとんどだが、希望職種とのミスマッチなどが予想されることから、「新たな海外人材がその能力を生かして働ける環境整備が欠かせない」としている。