アデコグループは7日、都内でセミナー「障がい者雇用の効果と課題」を開き、慶応大学商学部の中島隆信教授が「経済学からみた障がい者雇用の現状と課題」=写真右、同社執行役員の板倉啓一郎人財紹介事業本部長が「障がい者と企業の課題への取り組み」=同左=と題して講演した。
中島教授は、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率の算定基礎となる関連統計の不備、障害者雇用の主流となっている「特例子会社」の運営上の課題などを解説し、「障害者雇用を通じてこそ、全体の働き方改革が推進できる」と強調。板倉氏は、障害者を雇用している企業の担当者と障害者への調査結果に基づき、身体障害者に比べて精神障害者の方が仕事の満足度が低い傾向にあることなどを説明した。
障害者雇用は、政府機関による大量の採用水増し問題が発覚。民間企業でも障害者を雇用する企業が容易に増えず、代行ビジネスが出現するなど、法的規制の網をかいくぐる事例が相次いでおり、官民挙げて抜本的な見直しを迫られている。