厚生労働省が16日発表した2018年「高年齢者の雇用状況」によると、深刻な人手不足を反映して、66歳以上でも働ける制度のある企業は27.6%あり、さらに70歳以上でも働ける企業は25.8%(前年比3.2ポイント増)と増えたが、定年制自体を廃止した企業は2.6%で前年と同じだった。
改正高年齢者雇用促進法では、65歳までの社員の雇用確保措置を義務付けているが、65歳定年制を採用している企業は2万5217社で全体の16.1%(同0.8ポイント増)に上昇したものの、大半の企業は依然として60歳定年制を採用したまま。
一方で、雇用義務のない66歳以上でも働ける会社は4万3259社、27.6%にのぼり、さらに70歳以上でも働ける企業は4万515社あった。ただ、70歳以上を企業規模別にみると、中小企業の3万7232社に対して大企業は3283社に過ぎず、高齢者雇用に対しては中小企業の方が熱心な傾向は変わらない。
定年制を廃止している企業は4113社で、前年より49社増えたが、いずれも中小企業で、大企業はなかった。
同調査は従業員31人以上の15万6989社について、6月1日時点の状況を調査。31~300人を中小企業、301人以上を大企業に分類している。
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