日本人材派遣協会が15日発表した2018年第3四半期(7~9月)の派遣事業統計調査(514事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均35万3062人(前年同期比2.7%増)で、13年第3四半期から21四半期連続で前年同期を上回った=グラフ。伸び率は鈍化傾向にあるものの、堅調に推移しているため、18年の年間平均は9年ぶりに35万人台を回復する見通しだ。企業の求人意欲はあらゆる雇用形態で衰えていない。
統計調査を開始した08年の実稼働者数の年間平均は43万161人。その後、リーマン・ショック(08年)や従来までの行政指導の解釈を事実上“変えた”「専門26業務派遣適正化プラン」(10年)、東日本大震災(11年)などの影響を受け、13年第2四半期には27万人台に激減。その後は、景気回復と人手不足を背景に緩やかに持ち直している。
今回発表された18年第3四半期をみると、業務別では「一般事務」が12万9639人(同13.4%増)、「貿易」が9833人(同39.8%増)、「製造」が1万1691人(同4.5%増)と高い伸び率を維持。「製造」は13年第4四半期(10月~12月)から20四半期連続のプラスと好調だ。
一方、「機器操作」は6万5366人(同8.8%減)、「財務」が1万1706人(同19.7%減)、「販売」が5315人(同9.5%減)、「営業」が3823人(同4.5%減)で、前年同期を大きく割り込んだ。
また、「情報処理システム開発」は8316人(同0.4%増)、「軽作業」が8114人(同1.6%増)と横ばいが続いている。
派遣先に正社員や契約社員などで直接雇用されることを予定した上で、一定期間派遣社員として就業する仕組みの「紹介予定派遣」は、15年第3四半期から実稼働者が減少傾向にあったが、13四半期ぶりにプラスに転じた。実稼働者は5610人(同2.8%増)、成約件数が4427件(同65.6%増)となっている。
短期派遣の「日雇い労働者」(30日以内)は8万8276人(同9.5%増)となり、10年前の約3倍となっている。