経団連は9日開いた会長・副会長会議で、大手企業の採用面接などの解禁日を定めた指針を、2021年春入社の学生から廃止することを正式決定した。現行の指針は大学3年生が該当する20年春入社が最後の世代となる。
新たな就活ルールは、政府が主導する形式になり、政府が設置する大学側や経済界との協議会で議論するが、大学3年生の3月1日に説明会を解禁し、大学4年生の6月1日に面接を始める現行の日程は維持することになるとみられる。
経団連による現在の就活ルールは拘束力がないため、ルールを破って選考活動を進める企業が多く、かねてより形骸化が指摘されてきた。しかし、中西宏明会長が9月にルール廃止の意向を表明したところ、大学側は「現行ルールの維持」を要望し、日本商工会議所などの他団体も「何らかのルールは必要」との考えを表明していた。このため、これまでの「新卒一括採用」方式は何らかの形で残る可能性が高い。