福祉人材の派遣・紹介を手掛けるニッソーネット(大阪市北区、山下吾一社長)が3日発表した第6回「介護人材の採用と活用に関する調査」によると、8割以上の事業所が人手不足にあえいでいる一方、外国人技能実習生の受け入れを決めているところは2割程度という結果が出た。
介護職員の数については、「大変不足」が20.1%、「やや不足」が63.7%で、合わせると83.8%に達し、「過剰」の1.4%を大きく上回った。「大変不足」は5年前より10.6ポイントも増えており、利用者の急増に職員数が追いつかない様子が鮮明になった。多くの事業所で給与の引き上げ、評価制度の見直し、労働時間の調整などの対応策を講じているものの、定着率は向上していないようだ。
切り札として注目されている外国人介護士については、33.8%が「受け入れている」「受け入れ予定」と回答し、2年前より7.7ポイント増加したが、その多くは永住者、定住者などの在日外国人。昨年11月から外国人技能実習制度に介護分野が加わったが、実習生を「すでに受け入れを決めている」が4.4%、「受け入れの準備中」が12.6%で、合わせると17.0%。
これに対して、「受け入れたいが、特に準備をしていない」が37.9%、「検討していない」も40.7%あった。受け入れに必要な労力や教育コストなどを考慮すると、二の足を踏まざるを得ないという事情がうかがえる。
調査は8月上旬から1カ月間、同社のクライアント事業所を対象に実施、特別養護老人ホームなどから364件の回答を得た。