エン・ジャパンが21日発表した「働き方改革法」の実態調査によると、企業経営者・人事担当者の半数近くが同法によって「経営に支障が出る」と回答、具体的には「残業の上限規制」などを挙げていることがわかった。
同法によって、経営に「大きな支障が出る」が9%、「やや支障が出る」が38%あり、合計で半数近い47%にのぼった。具体的には「残業の上限規制」が69%で最も多く、「年休取得の義務化」が56%、「同一労働同一賃金の義務化」が46%で続いた(複数回答)。労組や野党が反対している「高度プロ制度」については6%に過ぎなかった。
「支障が出る」と回答した企業を規模別にみると、従業員300人以上が58%で最も高く、規模が小さくなるに従って比率も低下。同50人未満では33%だった。残業規制で支障が出る企業を業種別にみると、「広告・出版・マスコミ関連」が80%、「商社」が74%と高かった。マスコミ関連は年休取得や勤務間インターバルでも比率が高く、最も働き方改革が必要な業種となっている。「メーカー」の場合は、同一労働同一賃金の比率が62%で最も高かった。
具体的な意見としては、「就業規則見直しの良い機会になる」など肯定的にとらえる企業が多い一方、「残業の上限や有休を義務化したら生産性が下がる」など否定的な企業もあり、同法に対する反応は拮抗しているようだ。
調査は7月下旬から1カ月間、同社の「人事のミカタ」利用者を対象に実施し、648人から回答を得た。