帝国データバンクが10日発表した今年1~8月の労働者派遣事業の倒産(負債額1000万円以上)調査によると、倒産件数は46件、負債総額21億5600万円で、前年同期に比べて1件増え(2.2%増)、負債額は21億2300万円減少(49.6%減)した。昨年は負債10億~50億円の倒産が2件あり、負債額がカサ上げされた。
負債額別にみると、「5000万円未満」が32件と7割を占め、5億円以上の倒産はゼロ。同社は「派遣スタッフの確保などで中堅~大手と零細業者の格差が拡大している可能性がある」と分析している。
昨年は年間で74件の倒産があり、それまでの低下傾向から反転した。今年は昨年を上回るペースで推移しており、人手不足を背景にした派遣スタッフの確保をめぐり、企業体力の差がより鮮明になるとみられる。