厚生労働省は7日、障害者雇用数を中央省庁が水増ししていた問題で、立法機関と司法機関について、昨年6月1日時点の調査結果を公表した。立法機関は衆院事務局など5機関で従来公表の84.5人から47.0人となり、実雇用率も2.36%から1.31%に、司法機関は地方裁判所など4機関で641.0人から242.0人、実雇用率は2.58%から0.97%に大きく下がり、どちらも2.3%の法定雇用率を大幅に下回った。水増し数は立法機関が37.5人、司法機関が399.0人の計436.5人。
8月28日に発表した行政機関の場合は、8割にあたる27機関で従来公表の6867.5人から3460.0人、実雇用率は2.49%から1.19%と半分以下に減少。立法機関、司法機関も同様の実態だったことがわかった。
雇用率に算入できる障害者は厚労省がガイドラインで定めており、身体障害者手帳、知的障害者の療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人が対象。行政、立法、司法機関のいずれも、ガイドラインの解釈を誤ったとみられる。
一方、政府は同日、第三者機関「国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会」を設置した。メンバーは松井厳弁護士(元福岡高検検事長)を委員長に、今野浩一郎学習院大名誉教授(元労政審障害者雇用分科会長)ら5人。内閣官房と厚労省が共同事務局になる。