経団連の中西宏明会長は3日の記者会見で、個人的見解として2021年度以降の新卒採用について、「今の一括採用のあり方などについて、問題意識を共有する経営者が多い」としたうえで、「副会長時代から思っていたが、経団連が採用日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」と述べ、現行の就職活動ルールに強い疑問を呈した。
経団連は新卒一括採用について、1953年から「採用選考に関する指針」を定め、加盟企業に順守を求めている。しかし、罰則規定がないうえ、近年は外資系など非加盟企業の採用活動に押されており、ルール廃止を含む見直しを求める声が出ている。
現行では、6月に採用面接を解禁、10月に内定を出す日程を提示している。これは20年3月卒業生まで適用されるが、21年3月卒業生に対する新ルールについてはこれから本格検討する。「形骸化」の批判は強いものの、加盟企業や大学などへの影響が大きいだけに、機関決定については慎重に検討する方針だ。