就労目的の外国人受け入れ拡大に向け、政府が新たな在留資格創設と来春の運用開始をめざす中、全国知事会は29日、法務省などに対し、人手不足が深刻な製造業や小売業、警備などにも対象を広げるよう提言した。
提言書には、国が責任を持って日本語教育や生活支援に取り組むことも明記。政府は当初案の農業や造船など5分野に加え、各業界の要望を聞き取りながら新たに食品加工など15以上の職種追加を検討中だが、事実上の“移民政策”といった懸念や慎重論も根強く、今秋から年明けにかけて議論が本格化する模様だ。
提言書は同日、全国知事会のプロジェクトチームのリーダーを務める愛知県の大村秀章知事が法務省を訪ね、上川陽子法相に手渡した。
外国人受け入れ拡大に絡む動きでは、超党派の日本語教育推進議員連盟(会長・河村建夫元官房長官)が5月下旬、「日本語教育推進基本法」(仮称)の大筋の内容をまとめた政策要綱の原案を了承。基本施策として「外国人等に対する日本語教育への国民の理解と関心を増進するため広報活動等の必要な施策を講ずる」なとが盛り込まれている。今後、要綱を踏まえて条文を作成し、国会に提出する運びだ。
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