製造派遣・請負の業界団体、日本生産技能労務協会(青木秀登会長)は24日、都内で「働き方改革関連法セミナー」を開いた=写真・上。成立から2カ月足らずの「働き方改革関連法」について、改正の狙いやポイントを早急に周知するため、同協会の政策広報委員会が会員企業を対象に企画。北桜労働法務事務所代表の社会保険労務士、田原咲世氏=写真・下=が講師を務めた。
8本の労働法改正を束ねた「働き方改革関連法」には、労働者派遣法も含まれており、その運用に関する省令・指針などの議論が厚労相の諮問機関である労働政策審議会・同一労働同一賃金部会で近く始まる見通しだ。
冒頭、同協会理事で政策広報委員会の齋藤哲一委員長が「政策や法律が出来あがるまでの動きを最新情報で会員に届け、決まった後は今回のように重要項目について分かりやすく伝える。そして、省令や指針が確定したら実務面で生かせる勉強会の開催なども予定しており、相次ぐ法改正で業界が難しい局面にある中、会員企業の事業に役立つ活動を進めたい」と述べた。
「『働き方改革』をチャンスにできる会社になるために~今から準備しておくこと~」と題して行われた今回のセミナーには、全国各地の会員企業から約150人が参加。はじめに田原氏は、「働き方改革関連法」の全体像と着眼点、加えて改正法をより深く理解するために必要となる「労働条件の3つの要素」などを整理したうえで、概ね2020年4月施行の改正派遣法について丁寧に説いた。
また、改正派遣法で、不合理な待遇差を解消する目的で規定された派遣「2方式」の仕組みと留意点などを解説。続けて、来年4月施行(大企業)となる改正労働基準法の関係で派遣元と派遣先に影響してくる「労働時間」に焦点を当て、事例を挙げながら詳しく説明した。